クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】
…この顔が見れただけでも、言ってよかったかもな。
一つ言いたいのは、殴り合いがしたいんじゃない。
今の質問に対する答えが欲しいわけじゃない。
「すみません急に。俺には幼なじみとかいないんで、気になったんです。ずっと一緒にいるからこそ、いつ好きだって気づくんだろうって」
この人と、余裕のある先輩ではなく“一人の男”として話したいと思った。
…ただ、それだけなんだ。
急に聞かれて答えてくれるだろうかと思っていたけれど。
「…いつからなんて、もう覚えてない。気づいたら、俺の中で海琴が特別になってた」
「そう…なんすね」
意外にもすんなりと答えてくれて驚く。
でも、九条先輩はそんな驚きの更に上をいってきた。
「…長谷川くんは?」
一瞬、言われた意味がわからなかった。
「……は?」
でも、先輩は「何を?」なんて言わせる暇もなく。
「長谷川くんは、いつから海琴のことが好きなのかって」
今度はまっすぐ俺の瞳を捉えて、そう言い切った。
心臓を鷲掴みにされたように、思い切り脈が跳ねる。