クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】

「っ…やだな、私…本当に、最低だ…っ」



今、私の頭の中にいるのは。



私の言葉に「ばーか」って言って笑う、なるちゃんで埋め尽くされてる。



長谷川くんが私に告白してくれて、好きだと言ってくれて……気づいたんだ。



私を思ってくれている長谷川くんの気持ちが、私がなるちゃんを思うものと同じだって。



向けられた熱に焦がされるみたいに、なるちゃんへの気持ちに火がついて、名前がついたの。



あぁ、そっか、これが“恋”なんだ…って。



なるちゃんが笑ってくれれば私も嬉しいし、釣られちゃう。



だけどね、その笑顔は他の誰でもない私が作りたいんだよ。



そしてその笑顔を、特等席で見ていたい。



きっと恋って、思ってるよりずっと単純。



だってね……



「───そこにいんの、海琴…だよな?」



その一声で、胸が鳴った。



同じ空間に好きな人がいると思うだけで、こんなにも嬉しくって仕方がない。



「…なるちゃん?なんでここに…」



「なんでって…中庭に人影が見えて、それが海琴っぽかったから来てみたんだよ」



意識した途端になるちゃんの方をうまく見れなくて、少し目線をそらす。
< 128 / 135 >

この作品をシェア

pagetop