クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】
「っ…やだな、私…本当に、最低だ…っ」
今、私の頭の中にいるのは。
私の言葉に「ばーか」って言って笑う、なるちゃんで埋め尽くされてる。
長谷川くんが私に告白してくれて、好きだと言ってくれて……気づいたんだ。
私を思ってくれている長谷川くんの気持ちが、私がなるちゃんを思うものと同じだって。
向けられた熱に焦がされるみたいに、なるちゃんへの気持ちに火がついて、名前がついたの。
あぁ、そっか、これが“恋”なんだ…って。
なるちゃんが笑ってくれれば私も嬉しいし、釣られちゃう。
だけどね、その笑顔は他の誰でもない私が作りたいんだよ。
そしてその笑顔を、特等席で見ていたい。
きっと恋って、思ってるよりずっと単純。
だってね……
「───そこにいんの、海琴…だよな?」
その一声で、胸が鳴った。
同じ空間に好きな人がいると思うだけで、こんなにも嬉しくって仕方がない。
「…なるちゃん?なんでここに…」
「なんでって…中庭に人影が見えて、それが海琴っぽかったから来てみたんだよ」
意識した途端になるちゃんの方をうまく見れなくて、少し目線をそらす。