クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】
な…なんか、私が申し訳なくなってきたよ?
「ほら、出ちゃいなよ。全然気にしないし、あれだったら私帰るし…」
だからくるりと背を向けて、ホテル内に戻ろうとしたけれど。
「バカ、行くな。どーせスマホも部屋に置いてきたんだろ」
「うぐっ…」
その場でグイッと手首を掴まれ、その上図星まで刺される始末。
ちょっと情けなさすぎるかも…。
「…悪いけど待てるか?」
「うん、大丈夫」
本当に申し訳なさそうにするなるちゃんにこくりと頷く。
なるちゃんは「はぁ」とひとつため息をこぼして、通話ボタンを押した。
「…もしも──」
『やぁーっと出たぁー!!どんだけかけたと思ってんの!?1回くらい出てくれてもいいじゃ───』
───プツッ…ピーピー…
………ん???
今、何が起こった…の?
ただわかるのは、なるちゃんがとんでもなくご機嫌ななめだってことくらい。
電話先から聞こえてきたのは、夜にしてはトーン高めの可愛らしい声。
「な、なるちゃん…?えっと、今のは…」
「気にすんな」
き、気にすんなと言われましても…。
「いやいやいや…だって、なんかまだ話途中じゃ…ないの?怒ってたし…もう1回かけてあげたほうが…」
「知らね」
「もうっ、なるちゃん!」
そう言って、じぃっとなるちゃんを見つめる。