クールな君の甘さを知れば
「まっ…待って…ちょっと、整理させて」
なるちゃんが、私のことを……好き?
幼なじみやめたい、って…なに?それ……。
「今までそんな素振り、見せたことなかったじゃん…」
ぽつり、小さくこぼれた。
「私も…なるちゃんのこと、好きだよ。でも、違うんでしょ……?たぶん…もっと違う意味で、ってことでしょ」
一度口に出したら止まらなくって、なるちゃんが喋らないのをいいことに次々と言葉が溢れてくる。
「そんなこと、急に言われたって…どうすればいいのかわかんないよ…」
オロオロ、目が魚みたいに泳ぐ。
どこに視線をやっても、見えてくるのはなるちゃんのドアップフェイス。
言われたことも、内容だって困惑するものばっかりだけど…。
「…どこ見て話してんだよ。こっち向け」
「んぐぅ」
なるちゃんの大きな両手に頬が挟まれ、真っ直ぐ向かされた。
ドアップのビューテフルフェイスは、かなり殺傷能力が高いらしい。
っち、近い近い……!!
顔くっついちゃうってこれ……!!
見慣れているはずのなるちゃんなのに、今はぜんぜん知らない人みたいな顔をしてるから余計にドキドキしちゃってしょうがない。