クールな君の甘さを知れば
「…ふっ。海琴の顔、超真っ赤。いつもと立場逆転だな」
そしたら今度は、意地悪い笑みを浮かべて勝ち誇った顔をしたなるちゃん。
連続攻撃はね、反則だよ。
「っ〜!!」
そんなことわかりきってるのに、改めて言われたら恥ずかしくて死んじゃう…っ!
「〜〜っもうどいて!!重い…!!」
ついに私がたまらなくなって、目を瞑ったまま叫んだ。
別に重いとか、そんなの全然思ってない。
ただ、このままいたら心臓が爆発しちゃうんじゃないかって。
なるちゃんにこのドキドキが聞こえちゃうんじゃないかって…心配になった。
「逃げるだろ、絶対」
「に、逃げないよ…!」
「ほんとに?」
「ほんと…!!」
なるちゃんめ、こういう時は疑わないでさっさとどいてくれればいいのに。
疑い深いなるちゃんが、数秒悩んだ結果。
「ん、起き上がれるか?」
「こ、子ども扱いしないで…!」
「女子扱いしてんだよ、ばーか」
「っ…い、いちいちそういうこと言わなくていいから…!」
2人掛けのソファに座ることになった。