クールな君の甘さを知れば
最近は減ったし、私も身の程?をわきまえるってことを知ったから、なるべく考えて行動するようにしてる。
「世知辛い世の中……」
「なにが世知辛いの…?」
上履きを履きながら嘆いていると、黒髪おさげの可愛らしい女の子がひょこっと現れた。
「穂乃果ちゃん。おはよー」
「おはよう海琴ちゃん」
柔らかい笑みを浮かべる彼女は、日下部 穂乃果ちゃん。
低めのツインテールと、綺麗な黒髪が特徴的な女の子。
入学式の日に出席番号の関係で席が近くなり、そこからすぐに仲良くなった。
優しく温厚で、思いやり溢れるとってもいい子なの。
穂乃果ちゃんと仲良くなれて、友達になれて本当によかったって心から思う。
「海琴ちゃん、何か悩み事…?私でよかったらお話聞くよ?」
心配そうにそんなことを言ってくれる穂乃果ちゃん。
うーん……穂乃果ちゃんは優しいというより、天使なのかもしれない。
「大したことないから大丈夫かな。ありがとう」
「ほんとう…?ならいいけど…もし困ったことがあったら言ってね?何か出来るかもしれないし…」