クールな君の甘さを知れば

えっ、私?



急に話を振られて肩が跳ねる。



ちらりとなるちゃんの方を見て、口をもごもご。



「う、ん…そりゃあ…ね?なるちゃんいれば、安心だし…?」



って、なんで照れてるの??



自分で言っておきながら、長谷川くんと穂乃果ちゃん、ましてやなるちゃんの前となると正直に言うのが恥ずかしい。



なるちゃんと来れて嬉しかったって、素直に言えばいいのに。



「ふっ…」



そこで、長谷川くんが可笑しそうに吹き出した。



「ちょっと、長谷川くん?何がおかしいのかな?」



私、何も変なこと言ってないよね?



「いや…九條先輩の前だと、古賀のマイペースも崩されんだなって…なんか新鮮だわ」



「たしかに!いつも長谷川くんは海琴ちゃんに振り回されてるもんね?」



「いつもじゃないだろ!…いや、いつもか?」



「ちょっ、ちょっと2人とも!私が振り回すってなに??」



さすがにアイデンティティが揺らぐよ?



穂乃果ちゃんまで肯定しちゃって、私ってそんなにマイペースなの?



「ははっ…ほんと、3人仲良いんだな。見てて飽きない」



困惑していたところに、なるちゃんのキラキラ笑顔が咲いた。
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