クールな君の甘さを知れば【※表紙絵変更しました】
「んーと…ここだね。305号室と306号室」
浴衣を選び終え、エレベーターを使って部屋に向かった。
「じゃ、荷物置いてくっか。長谷川くん、先入って」
「はい」
部屋はもちろん男女別。
長谷川くんとなるちゃんが2人きり…ちゃんと仲良くできるか不安だけど、それは今更だよね。
「はい、海琴ちゃん開いたよ。入ろ入ろ!」
「うん…って…」
穂乃果ちゃんが部屋の扉を開けた途端に、畳の匂いが鼻の奥に一気に駆け抜けた。
座敷の奥に見える窓の外には、大自然が広がっている。
とても綺麗で高級感のある部屋に、ただただ圧巻されてしまった。
「…すごい。本当に私たち、ここで寝るの?」
「ふふ、海琴ちゃん驚いてばっかりだね」
驚く私の横で微笑む穂乃果ちゃんは、早速靴を脱いで部屋に入った。
「ほら、海琴ちゃんも入ろ。お茶菓子も用意されてるよ?」
「え、お茶菓子?」
私もようやく足を踏み入れて荷物を置くと、たしかに机の上にお茶菓子が置いてあって。
「…美味しそう」
「食べて美味しかったら、お土産に買ってこっか」
「だね」
そんな会話をして必要なものだけを持ってまた部屋を出ると、私たち4人はそのままロビーに下りた。