逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 洞窟を守るために敵を撒こうとしたのだ。

 アーロンの目の前は崖だった。
 目もくらむ勾配に身を乗り出して一気に駆け下りて行く。

「おいっ、いったいなにを!」
 ボスが怒鳴った。
「ええいっ、仕方ない、我々も続くのだ」

 ソフィーはやみくもに走った。

 視界が揺れる、伸びた枝に体を打たれる。
 走ってどうなる? 自分が囮になる? なったらどうなる? わからない、ただ兵を守らねば、それだけだった。
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