逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 と、そのトレリスから幾つもの影が躍り出た。
 身を隠していたグリント―ル兵だった。

 バッハス兵が迎えうつ。
 剣と剣が激しくぶつかった。
 戦いが始まった。

「うおぉぉっ!」
「うぬっ!」
「まわり込め! 敵の背後をねらえ」
「おおっ」
 怒声が響き渡る。

 その陰で地上へロープを下ろすバッハス兵がいた。
 地上の仲間を呼び込むためだ。
 ロープをつかんで次々とよじ登ってくる。

 エントランスはたちまちバッハス兵であふれた。
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