逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
うっとヴェンは口ごもった。
「・・それが本当なら、大変なことじゃないか」
「その通りだ」
デイズの話が頭の中で入り乱れている。それほど衝撃だった。
だが、そんな彼にふと、
「し、しかしデイズ、お前はよくそんなことを知っているな。王宮の兵だろう? 王都で暮らしていたくせに・・」
「ああ、言ってなかったっけ。俺はラクレスの出身なんだよ」
「・・ああ」
前にそんな話を聞いたことがある。
「ここには親兄弟がいるから、ときどき帰って来ているし。それに俺は元々ラクレス領の兵だったんだ」
「ラクレスの、兵だった?」
「ああ。王宮の騎士にあこがれて志願したんだ、それで修行の甲斐あって王宮兵士には採用された」
けっきょく騎士にはなれなかったがな、といって頭を掻いた。
「・・だが、それならだな」
とヴェンは辺りを見渡した。
「ここだって、この洞窟だって危ないだろう? バッハスに知れてしまえばどうするんだ?」
「そう、一網打尽だな。戦える男がほとんどいない、負傷兵ばかりなんだから」
仕方がない、とデイズは笑った。
* * * * *
「・・それが本当なら、大変なことじゃないか」
「その通りだ」
デイズの話が頭の中で入り乱れている。それほど衝撃だった。
だが、そんな彼にふと、
「し、しかしデイズ、お前はよくそんなことを知っているな。王宮の兵だろう? 王都で暮らしていたくせに・・」
「ああ、言ってなかったっけ。俺はラクレスの出身なんだよ」
「・・ああ」
前にそんな話を聞いたことがある。
「ここには親兄弟がいるから、ときどき帰って来ているし。それに俺は元々ラクレス領の兵だったんだ」
「ラクレスの、兵だった?」
「ああ。王宮の騎士にあこがれて志願したんだ、それで修行の甲斐あって王宮兵士には採用された」
けっきょく騎士にはなれなかったがな、といって頭を掻いた。
「・・だが、それならだな」
とヴェンは辺りを見渡した。
「ここだって、この洞窟だって危ないだろう? バッハスに知れてしまえばどうするんだ?」
「そう、一網打尽だな。戦える男がほとんどいない、負傷兵ばかりなんだから」
仕方がない、とデイズは笑った。
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