逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 その翌日、会議にラクレス公は姿を見せなかった。
 何か都合があれば必ず連絡してくる公だった。

 嫌な予感がした。

 彼は忠義なグリント―ルの臣下だ、もし密書を見ればすぐ王宮に連絡するだろう。
 だとすればその使者が王宮に着くまでに取り返すべきだ。
 そしてまた、ラクレス公の口をふさぐ必要がある。

 あれこれと親子は考えを巡らせていた。

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