追いかけろ、青。




この男にくらいはいいかなと、本心を少しだけ見せる。


唇を埋めたマフラーの、そのまた奥に隠れた友利の香り。

これが思ったより落ち着く……ということまでは、言えそうにないけど。



「ってことは、そんなときの俺だわ」


「…は?」


「スマホ。出して」



あ、私と機種いっしょだ…。

でも友利にはやっぱ、スマートフォンというよりグラブとバットのほうがお似合い。

とてつもない違和感。



「…どうせほとんど部活でしょ」


「早朝と、夕方以降はなるべく返す。寝る前とかは即レスすっから」



もっとはやくに交換するつもりだったけど───と言いながら、満足そうにスマホをしまったクラスメイト。


……てか、なんやかんや素直に交換してしまった。


学校で会えるし、という部分に隠されて必要性が薄くなっていたメッセージアプリ。

他校の同級生たちからは、転校してからメッセージが送られてきたことはない。



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