悪役令嬢なのに、完落ち攻略対象者から追いかけられる乙女ゲーム……っていうか、罰ゲーム!~前世から腐れ縁なちゃっかりヒロインに、逆ハーエンド押し付けられました~
 しかも、今彼は他の女性へ向けていた感情を私に向けているという、よく分からない状態になっている。

「けど、もう仕方ない。これはもう……何がなんでも、行くしかないわ」

 覚悟を決めた私は、第二王子が使っている宮へと歩き出した。

 サポートキャラトリスタンと会った後に、乙女ゲーム正ヒーローと出会いやすくするためなのか、ギャビンが住んでいる宮に秘密の花園は存在する。

 そして、彼を使ってゲームプレイヤーは、選択肢を選んで好感度が上がったり下がったりを体験し、ここで簡単なチュートリアルを終わらせるのだ。

 ゲーム的に必要だったから、必然の配置。

 けど、乙女ゲームのエンディングを迎えて、よく分からない状態になっている悪役令嬢の私から見れば、それはどうでも良い。

 誰にも見つからないように、進まなければ。

 秘密の花園へと向かっていた私は、遠くから聞こえる足音になんとなく嫌な予感を感じて、私はとある部屋の中へと姿を隠した。


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