Moonlight−月光−
「おはよ、阿斗」
隣にならんで再び階段をのぼり始める。
「クラスどう?」
阿斗はとても優しい人。
「普通かな。友だちがいるわけでもないし」
わたしはこの学校で友だちがいない。
別にいじめられてるわけじゃないし、朝、挨拶するくらいの間柄の子は数人だけど、いないわけじゃない。
でも、今までに親友と呼べる友だちに出会ったことがない。
…いや、わたしが作ろうとしなかっただけか。
わたしの全てを知られるのが怖くて。
失望されて、見捨てられたくなくて。
誰にも嫌われたくなくて。
日々、人から逃げ続けているんだ…。
「ふーん、そ」
あんま興味なさげだね。
ま、わたしが言えた立場じゃないけど。