『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
 古家氏から今後自分と話す事は何もない話したくないと言われていたが、俺は
今生の別れになるのなら何とか最後に謝罪がしたいと思い時間を作ってもらった。


 でないと後悔しそうだったから。


「英介くん、私はね苺佳の為を思えばこそ家族ぐるみで付き合いもあり
信頼に足りる影山さんところの子息と縁ができれば苺佳が変な男に摑まって
泣かされるようなこともあるまいと、これまで影山家と親睦を深めてきたがね、
よもや君にこうも酷い仕打ちを受けようとは。


 私は娘に申し訳ないことをしてしまったのかもしれない。

 こんなことなら、普通に恋愛を経験し結婚させてやればよかったとね」



「お義父さん、不束者で本当にすみません。
 ですが、家庭を壊す気など毛頭なく・・」



「いくら君がそう思おうと家庭はすでに壊れておる。

 苺佳と孫の眞奈も、もう君とは暮らさないと言っておるからね。
 

 一度壊れた茶碗は元には戻らんのだよ。

 苺佳はね、君を問い詰めることも君の言い訳を聞くこともしたくないと言ってる。

 
 今まで見たこともない顔、聞いたこともない言葉の羅列、
そんなものには関わりたくないそうだ。


 こちらの勘違いだったと言い訳できない証拠があるからね。

 君も苺佳に会って釈明しようなどとは考えず、離婚届にすんなり
判子をついたほうがいい」


 義父は、苺佳が俺の事を問い詰めることも言い訳を聞くことも
したくないと言ってる、と言う。


 実際それは本当のことなんだろうけど、苺佳と一度も話し合いをすることなく
離婚届けに判を押さなければならないというのは、非常に痛い。


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