『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
「ひとりになって不安だろうけど私が苺佳の支えになるから」
ものすごい殺し文句を聞かされ、舞い上がりそうになりつつ、『ありがとう』と
口を開きかけた私に瑤ちゃんの柔らかな唇が私の口元にそっと触れた。
えっ、えっ? これってキスだよね。
落とされたキスの場所は唇じゃなくて口元で、唇を僅かにそれてた。
唇にされたわけでもないのに頭がジンジンクラクラしちゃった。
思いもよらない出来事に目をウルウルさせて固まってたら
瑤ちゃんの手が頭の上に降りてきてやさしく撫でられた。
『私が苺佳の支えになるから』っていう言葉を聞いただけで
胸がいっぱいになったのにキスまでされて~からの頭ヨシヨシですか。
瑤ちゃんってもしかしたらそうかもって思ってたけどほんとに人たらしだったんだ。
でも保育園限定とはいえ、普段の瑤ちゃんは他のおかあさんたちにはそっけない。
私にだけ限定の人たらしだったらうれしいな。
私はどう反応したらよいのか上手い言葉が見つからず
今度は自分から瑤ちゃんに抱きついてみた。
「瑤ちゃん!」
掠れ気味の甘えた声で名を呼んだ。これはわざとじゃない。
私はそんなあざといことはしない。
自然とそういう風な声音になったのだ・・と思いたい。
自信、ないけど。
瑤ちゃんの名前を呼んだ後、思ってた以上に甘え気味になってしまい、
胸のうちで知らず知らず何故か葛藤していたんだけど、そんな私に。
◇大切な人
「苺佳、覚えといて。私が苺佳のことを大切に思ってるっていうこと」
「うん、記憶喪失になったって忘れないよ」
「「あっ!」」
「私ったら・・」
「それはちょっと無理があるよね」
「そ、それくらい忘れずに覚えておきますっていう強い気持ちがあるっていうことで」
思わずしどろもどろ言い訳した私・・に。
「分かってる」の言葉をくれた瑤ちゃん。