『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
 女性が男性ではなく女性しか好きになれないっていうのとは、少し違う気がする。


 それを否定するわけではないけれど、自分の場合は違うような気がするのだ。


 私の場合は女性が好きなのではなくて瑤ちゃんだから好きなのだ。



 なんていうんだろう、異性を好きにならないといけないとか
同性しか好きにならないとか、いろいろあると思うけど
シンプルが一番じゃないのかな。


 好きになった人が異性でした。

 好きになった人が同性でした。

 恋愛は自由だよ。
 好きになるのに理由なんかないのよ。


 だって『恋は落ちるもの』っていうでしょ。


 しかし、私と瑤ちゃんの出会いって考えてみればみるほど不思議だよね。 
 

 微塵も好きになれる要素なかった? のに。


 睡魔に襲われ夢の世界に入ろうとした直後そんなことを頭に浮かべながら、
私は眠りについた。




◇未練と後悔


 ズルいかもしれないが・・いや、ズルいのだが、美羅のことがバレなければ
浮気のことは墓場まで持っていくつもりだった英介。


 会社の跡を継ぐという目的は関係ない、とまでは言わないが、そして世間からは
二股と言われるのかもしれないが、妻のことは愛していた。



 苺佳から自分に対する気持ちがとうの昔に離れていたことをこれまでに
気付く機会はあったはずなのに、美羅とのお楽しみ優先で暮らしていた英介は
気付けなかった。



『折角だが、娘はもう君とは会わずに別れたいと希望しているので、
このまま何もせず退職してください。』
と義父から申し渡されている。



 俺とは会いたくないと、このまま一度も会わずに別れたいというのが苺佳の希望だと聞いた。 




< 108 / 123 >

この作品をシェア

pagetop