『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
「英介さん、その気持ちが本当でも浮気した時点で
白いカードは黒いカードに変わり全てが嘘になるの。



 あなたが私を好いてたっていうのはただの妄想だったんだと思う。


 好きな人の嫌がること普通はしないと思わない? 
それともいつもへらへらしている私なら外で女性と遊んでも傷つかないとでも思った? 


俊介くんに約束を破られた時私が傷つかずヘラヘラしていられたのは
英介さんのほうを好いていたから。


 俊ちゃんに対してはその程度の気持ちだったから。

 大好きだったあなたからの裏切りを知った時の私の深い悲しみが分かる?
あなたに裏切られた過去が消せればいいんだけど。


 あなたへの私の望みが何か分かる? たった1つ。

 私が受けたのと同じくらいの苦しみを知って欲しいなってずっと思ってる。

 
 信じている人からいつかあなたも裏切られればいいのに、って。


 そうすれば私の受けた苦しみがどんなだったか、やっと知ることになるでしょ? 
私の願いはその一点のみ」





「本当にすまない、苺佳。だけど俺は離婚なんてただの一度も考えたことない、ほんとに」



 今さらながら苺佳の言葉に英介は驚きとショックを隠せなかった。


 英介は心のどこかで苺佳は親の言いなりで結婚を決めたように見えていたので
自分との結婚をそれほどまでに喜んでいたとは思いもしていなかったのだ。


 俺は単純にこの子は相手が俊介でも俺でも、何なら上の兄貴の恵介でも
親がお膳立てしてくれた安心の保証された男なら誰でも良かったのかも、などと
思ってた節がある。


 ただ結婚後の苺佳の様子から、頼られ好かれていることは
なんとなく感じてはいたけれど。


 苺佳の強い自分に対する気持ちを知っていたら
俺が山波美羅と付き合うことはなかったのだろうか? 


 今さら過ぎて答えを導き出すことはできない英介だった。


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