『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
 英介さん、修羅場に巻き込まれなきゃいいけど・・って
私が心配することじゃなかったね。



「苺佳、英介さんとはちゃんとお別れ言えた?」


「うん、瑤ちゃんが近くにいてくれて心強かった。
一人の時じゃなくてよかったよ、ほんと」



「そっか、それなら良かった」


 
 その後、胸の中がポカリと空洞になってしまったことに気付いた英介は
その足でしばらくぶりの美羅に会おうと思い立ち、車を走らせた。


約束などしてないがそこに居そうな気がした。


美羅とよく行ったことのある公園内に立地しているあるカフェに向かった。


彼女に会ったら別れを告げよう。


駐車場に車を止めカフェのある場所へと徒歩で向かう。


湖畔に面して建っているカフェに近づくと視線の先には肩抱き寄せ合って
近い距離で囁きあってるカップルの姿が目に入ってきた。


 女性は見覚えのある美羅だった。
 いつから? しばらく会ってなかったから? 


 旦那がありながら俺とだって親しくしていた彼女のことだ、
次の新しい男を作ることなど造作もないだろう。


 ここで彼らの前に出てどうしろと? 
 

 疑問を口にすれば嫉妬深い男と認定され、ピエロもいいところだ。



 言葉にならない思いを乗せて誰も彼もが通り過ぎてゆく晩秋の日、
英介は即座に踵を返す選択をし、行く当てもなく車に飛び乗った。



◇半年過ぎたらば・・



 私と瑤ちゃんは母親の様子伺いを終えると鯉がたくさん泳いでるエリアへと足をのばした。


 池にはウッドデッキで設えられた池を覗き込んだりして堪能できる場所があり、
 私たちはそこで柵に凭れ掛かり池を覗いたり緑や花々を愛でてまったりとした。


「苺佳、一緒に暮らすことにしただろ私たち」

「うん、うちのお母さんの体調が戻ったら引っ越していくので宜しくお願いしますぅ~」

「あのさ・・」


「苺佳は私のことどう思ってる?」

「すっ、好き・・かな?」


「はぁ?」

 盛大に瑤ちゃんがため息を吐いた。怒ってるかな。


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