『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
  バカだな自分。旦那相手に何かするならともかく、好いている苺佳に
意地悪をしかけるなんてな、間抜け。


 これくらいなら・・ちょっとしたこと・・って思いつつも、席に戻ったら
言い訳くらいはして、そのついでに『一人にしてごめん』って言うつもりだったのに。



 口から出たのは『女が3人も寄ると姦しいわ』だよ。


 怒ってる風ではなかったけど、心なしか苺佳の反応がそっけなかったな。

 ろくすっぽ話もしないで片付けに席を離れてしまったし、
あれから今日はほとんど会話してない。


 比奈のこともまかせっきりで。

 しみじみ、自分の至らなさを実感する。
 

 友だち、仲良しさん、恋人にはなれない自分と苺佳の関係性。

 誰にも興味を持てなかった自分が、振り向かせたくて自分を意識してもらいたくて
ガラにもなく意地悪までした相手に出会えたことに感謝だな、と思う。
 

 たとえ、自分だけのものにならなくとも。




◆[七夕祭りの翌日の言動2]


「泣かせた私が言うのも口幅《くちはば》ったいけど、この先絶対苺佳を泣かせない、
大切にするし守るよ」

 精一杯の本心からの言葉を口にした私に苺佳が言った。



「ね、瑤ちゃん。
 比奈ちゃんが小学生になって生活が今より落ち着いたら彼氏作った方がいいかもね。

 私も誰か良さげな男性《ひと》探しとくね」
 


 知らないとはいえ、好きになった相手から彼氏探しとくだってYO.

 苺佳は完全に勘違いしている。
 私が嫉妬しているのは苺佳に対してだと思ってるんだ。
 

 無理もないけど、私が嫉妬してんのは、旦那・・だんなのほうなんだよ。
 
 ・・ってこんなこと苺佳に知られたら嫌われるだろうな。はぁ~。


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