『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
 ◇回想



 3才下の弟、俊介には幼少の頃より家同士が懇意にしている
古家家の愛娘で苺佳という許嫁がいた。


 思春期に入ると弟はそのことについてどう思っているのだろうと、
考えたり考えなかったり・・するようになった。


 結婚する相手って自分の人生にとって誰しも一生を左右するような重要な問題だろ? 

 長ぁ~い人生を共にするのだから。


 両親と俊介の間で何かしらの話し合いがあったのだろうか。

 少なくとも、おそらく兄も自分も係わってはいない。


 決定事項として知らされているだけだ。

 年齢のことで考えてみると、この話は自分にきてもおかしくはない話だ。


 養子に出すには三男がよかったのか、俺よりも俊介のほうが懐柔しやすいと
考えたからなのか。


 自分の中で考えられる範疇でいろいろとあーだこーだと、理由を探してみたりした。
 

 その後俊介も大学生になり・・。
 


 気になる子の一人や二人いるはずだが許嫁がいる身では
できてもガールフレンド止まりで学生の間だけの付き合いになるだろう。


 しかし弟からは女友達がいるのかいないのか、家でも話題に出たことはない。


 いたとしても、親父やお袋の前で話にはだせないだろうな。


 アイッは許嫁と結婚して年貢を納める前に多少なりとも恋愛をしてみたい
・・とかはないのだろうか?


 自分たちは兄弟だが、とんと、女子の話はしたことのない兄弟だった。


 この頃の俺は薄ぼんやりと俊介の将来のことが何故か気になってしようがなかった。


 幼少の頃より許嫁がいるという、自分には未知の領域にいる弟の存在が
何故か気になるのだった。


 気にはなるものの、まぁこちらから弟にわざわざ訊いたりすることはないけれど。


 訊くことで弟に苺佳ちゃんとの結婚を止めるとか言い出されでもしたら
責任取れないし、火の粉がこちらに降りかかってくるとも限らないからな。


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