『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
「私は大丈夫だよ。それに私たちまだ交際もしてないし。

 こう見えても学生の時は何人かに告白されたりもしてたんだよ。 
 
それなりにモテるので心配しなくていいわよ、私のことはね」
 


 こんな風に落ち込んでる俊介くんを励ました私。


 ただ、こんなことになるのがもう少し早く分かっていれば、と思うことがあった。


 それは仕事のこと。

 結婚の予定がなくなったのなら、第一秘書がちゃんといてお飾りのような
父親の第二秘書なんて、この先もずっとやるには気が重かった。



 父親の気持ちが落ち着いた頃に辞めることを話してみよう、そしてしばらくは
家にいて、この先どうするか、じっくり考えてみようと思っていた。



 しかし・・・急転直下、まさに数日後のこと。
 

 影山夫妻が今度は次男の英介さんを伴って我が家を訪れたのだ。


 その日、繰り広げられた話はこうだ・・・。
 

 俊介くんと私との結婚が御破算(ごはさん)になったことを知った英介さんが
俊介くんの代わりにと、手を挙げたということだった。



 両親と一緒にこの話を聞いていて、ほんとかな? って思ってしまったんだけど。


 まぁ妥当なところというか、私の両親はその時『少し考えさせてもらいます』と
返事を返したのだった。


 そう返事をしたものの影山さんたちが帰った後、あれから数日、ちょっと
落ち込んじゃってた風の父親の表情に明るさが戻ったような気がした。


 英介さんは私より3才年上で、俊介くんとはまた違ったタイプの人だ。

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