ワープ先でお忍び王子と母さん探しの旅に出る?!

たどり着いた場所

「っ!!!」

慌てて、身を起こす。

ふかふかのベッド・・・高そうだな。

「死んだ・・・?」

声は出せる。

天国?
地獄?

どうか天国でありますように!

「死んでないよ」

「へっ??」

私は、声の持ち主を探した。

「やぁ」

さわやかなお兄さん?的な人が椅子に腰かけていた。

私は反射的にベッドから、身を起こし、できるだけ彼から離れる。

こいつも、男だっ・・・。

グルかもしれない。

彼は、金髪をきれいに垂らしていて、イケメン面だ。

声もなかなかいい。(自己判定)

けど、男だからには警戒心丸出し。

イケメンは何でも許されるなんてことはない!

そんな私に金髪男は苦笑する。

「こんな風に牙をむかれるのは初めてだな。それより、君の名前は?」

私はむっとして言う。

「名前を聞くときは、自分から名乗るものよ。そんなことも知らないの?」

すると、どこかにいた、男がピュッと現れた。

その男は黒髪で、タキシード。

私はもう一度金髪を見る。

彼は、T-シャツに、ジーンズ。
ゆったりだ。

なのに、友人(?)と思われる黒髪は・・・
ちゃんとしてるの?そういう趣味?

わけわからない。

まさに執事・・・いや、なんか違うような・・・

でも、私はそんなことを気にしている時間はないようだ。

黒髪が、ものすごい形相でにらんでいる。

え、なんだろう。

すごい目が怖い。

せっかく顔が整ってるのに・・・

もったいないイケメンだ。

「貴様、よくも我が・・ぎやっ!」

ぎやっ・・・?

可愛くない悲鳴。

男だから可愛く悲鳴だしたら怖いか。

よく見ると、黒髪は金髪に足を踏まれたらしい。

男があんな声を出すんだから、相当強く踏んだんだ。

そんなことを思っていると、金髪は名乗り出る。

「申し遅れたね。僕はルーク。君は?」

私は、一度息をついて、心を落ち着かせ言う。

「野花 花。どうぞよろしく・・・じゃなくて!あなた達、何者?私に何がしたいのよ!」

「貴様っ・・・うぐっ!」

うぐっ・・・?

また踏まれたの?

なんで?

「そうだ、君が持っていたものを返すから、ちょっと待ってて。小さな袋だよ」

小さな袋・・・?

ああ、種のことか。

私はうなづいた。

ちゃんと、返してくれるかはまだ微妙だけど。

そして、金髪・・・ルークは黒髪と出て行った。
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