辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
「わかったから吹き飛ばすのはやめて。この後、勉強会があるでしょう? また遅れたら、学ばせてくれなくなるかもしれないわ」

 リティが言うと、ニナはふんと鼻を鳴らしてから風の塊を消し去った。

 候補者たちが減った今、食事以外は自由時間だった彼女たちの一日の予定はかなり忙しないものになっていた。

 未来の王妃として必要な教育を、朝から晩まで叩き込まれるようになったのだ。

 何人もの教師がかわるがわる候補者たちの授業を担当し、礼儀から教養まで厳しく教えるのだが、ついていけている生徒は今のところデルフィーヌだけである。

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