辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
 リティの能力が弱いと知ってから、彼らの過保護はさらに増したように思う。

 だからティルアーク家にいる限り、リティはいつまでも小さくて弱い末妹で、なによりも優先して守らねばならない存在なのだった。

「……やっと役に立てるときがきたのかしら」

 独特の香ばしい獣臭さを漂わせる羽毛に手を突っ込む。

 わしゃわしゃと手を動かすと、ヒューイがうれしそうに鳴いた。

「本当はずっと嫌だったの。……みんなに申し訳なかった。私だけなにもできなくて、『リティは小さいんだからいいんだよ』『子どもだからいいんだよ』って言われるの」

 家族がどれだけ自分を愛しているか、彼女は知っている。

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