辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
だから乳兄弟とたったふたりきりのときであっても、リティだけは誰よりも信じられると言葉にできなかった。

 そのリティこそが、ランベールが己に貸した『候補者には平等に接するべきだ』という決まりを破る理由でもあるのだが。

「デルフィーヌも、そうであってもらいたいものだな」

 狂おしい想いに蓋をし、ランベールは王子としてジョスランに言った。

「彼女は光を操り、幻影を見せられる。騎士たちを無傷で突破するにはうってつけの能力だ」

「……あいつこそ、そんな馬鹿な真似をする女じゃありませんよ」

 ジョスランの表情が苦々しいものに変わる。

< 292 / 426 >

この作品をシェア

pagetop