王子は私のモノなんです!

2.ハズレでなくてはならない理由

力を隠し、ハズレとして迎えた婚姻日。
当たり前のように遅れてくる彼女を見て胸が高鳴った。

ーーあぁ、俺の全て。
貴女はそうでなくてはならない。


跪いて彼女の手にキスをすると、彼女の顔に愉悦が見えた。
その表情に堪らなく欲情した。

「初夜ですわ、私ハジメテで怖いんですの。ですので旦那様には全て許可を取っていただきたいんですわ」
「許可、ですか?」

それは願ってもない申し出で。
これから彼女の望む事だけが出来る、これから先の人生全てを彼女の願いに捧げられる。

思わず笑みが溢れ、すぐにキスの許可を求めた。
体に触れる許可を貰い、彼女の体に“俺”を刻む。
心も体も、一生俺を手放そうなんて思わないくらいの快楽を刻んで。


俺から与えられる快感に肌を染めたカテリーナは大輪の薔薇が咲いたように見えたからそう伝えた。

しかし彼女は、“俺の色”だと答えをくれた。

俺の唯一は、俺も唯一にしてくれるのだと理解した。

「カテリーナ、全部受け止めてくれますか」
「全部、私の、ですから···っ」

そう答えてくれる彼女に熱を放つ。
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