王子は私のモノなんです!
彼女のナカに全て行き渡るように、放った後も腰を揺すり快感を植え付ける。
これからもずっと彼女が俺を望み続けるように、深く深く植え付けた。


出会ってからずっとわがままを叶え、堕落させ、そして婚姻が成立した今は快楽にも堕とし、自分の色に名実共に染め上げて。

隣で眠る彼女の髪を一房掬い口付けを落とす。

「次は···そうだな、何を捧げようかな」


自分がハズレでいるのは構わなかったが、そのせいで彼女まで馬鹿にされるのは不愉快だった。
それでも今まで見逃してきたのはハズレでなければ彼女のモノになれなかったから。

「まずは地位からあげようか」

くく、と笑う自分の顔が酷く歪んでいる事に気付いたが構わない。
カテリーナにだけ見られなければいいんだから。


自分の地位を上げるのは簡単だった。
空気のようにそこに存在していただけのセルジオを気にする者なんておらず、敵視されないのならばその視線をかわすことも容易だったからだ。
情報以上に強い武器はない。
情報を流し、噂を操った。
噂は正しくなくてもいい、生まれた亀裂が侵食するのをただ待つだけでー···

「呆気ないな」
< 26 / 40 >

この作品をシェア

pagetop