最推しと出会えた日
最推しと出会えた日

Qの不安


バンドがデビューした時からライブに毎回来てくれていた。

かっこよくて目を引くボーカルよりも俺のことをいつも観てくれていたのを知っている。

いつからかその子のことが気になって、ステージ上からいつも探していた。


キーホルダーで分かったんだ。


この子だ・・・。


俺のギターの音色が好きだって言ってくれて嬉しかった。

俺の素顔がたとえかっこ悪かったとしても好きだって言ってくれて嬉しかった。

俺に好きな人がいると知って、分かりやすく落ち込んでくれて嬉しかった。



もし俺がカミングアウトしたら。


この子はもう俺のことを見向きもしなくなるんじゃないか・・・

そう思うと、たくさんのファンがいたって不安なんだよ。

< 1 / 24 >

この作品をシェア

pagetop