【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

三章


それから一週間、レオナルドとフランチェスカは毎日共に時間を過ごしていた。
もちろんグレイシャーを治療するためなのだが、レオナルドはフランチェスカに好意を伝えてくる。
「フランチェスカ嬢の好きなものは?」
「君のことをもっと知りたいんだ」
「手伝ってもいいか?」
「これはどうしたらいい?」
そこでフランチェスカは時が戻る前には知らなかったレオナルドの一面を知ることになる。

いつもフランチェスカがレオナルドに守ってもらい頼ってばかりいた。
こうしてお互いの置かれている状況が違うかもしれないが、レオナルドが幸せそうに笑っている顔を見るとフランチェスカは安心した。
誰にも邪魔されることなくシュネーとグレイシャー、レオナルドと共にいる時間は温かくて、フランチェスカは何故か感動して涙が出そうになった。

(こんな風に穏やかな未来もあったかもしれないのね)

そう思うと悔しい気持ちが湧き上がる。
一日が経つたびにグレイシャーの体調もみるみるうちによくなっていった。
それと同じでレオナルドの笑顔が増えていく。
嘘みたいに穏やかな日々を過ごしていたが一週間はあっという間に過ぎ去ってしまう。

 
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