自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!
ルーニに連れてこられたのは、休憩所の裏にある中庭だった。
「この時間ここには人が来ません。リリアーヌ様大丈夫ですか?」
「…………」
何も言わない私を気遣いながら見つめていたルーニが眉を寄せた。
ルーニが何か言いたそうに口を開けたり閉じたりしている。
先ほどのことを聞きたいのだろう。
そんなに心配しなくても大丈夫だと声に出して言いたいが、言葉が詰まって出てこない。今ここで声を出してしまうと、更に涙があふれ出てしまいそうだった。
涙を止めようと顔を伏せ、胸の前で組んだ両手に力を入れと、ルーニが私の名を呼んだ。ゆっくりと顔の表情を和らげ笑って見せると、ルーニが泣き出しそうな顔でこちらを見ていた。
「リリアーヌ様……俺……」
ルーニの手が宙を彷徨っている。
「すみません。リリアーヌ様、少しだけ触ります」
ルーニがそう言って私の手を包み込んだ。
グランツ様とは違う男性の手……温かいその手が、こちらを気遣っていることが分かり嬉しくなる。心配してくれる人が近くにいることが嬉しかった。
ルーニは優しい人だ。
何も言わなくても側にいてくれる。
「ルーニありがとう」