自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!

 ルーニに連れてこられたのは、休憩所の裏にある中庭だった。

「この時間ここには人が来ません。リリアーヌ様大丈夫ですか?」

「…………」

 何も言わない私を気遣いながら見つめていたルーニが眉を寄せた。

 ルーニが何か言いたそうに口を開けたり閉じたりしている。

 先ほどのことを聞きたいのだろう。

 そんなに心配しなくても大丈夫だと声に出して言いたいが、言葉が詰まって出てこない。今ここで声を出してしまうと、更に涙があふれ出てしまいそうだった。

 涙を止めようと顔を伏せ、胸の前で組んだ両手に力を入れと、ルーニが私の名を呼んだ。ゆっくりと顔の表情を和らげ笑って見せると、ルーニが泣き出しそうな顔でこちらを見ていた。

「リリアーヌ様……俺……」

 ルーニの手が宙を彷徨っている。

「すみません。リリアーヌ様、少しだけ触ります」

 ルーニがそう言って私の手を包み込んだ。

 グランツ様とは違う男性の手……温かいその手が、こちらを気遣っていることが分かり嬉しくなる。心配してくれる人が近くにいることが嬉しかった。

 ルーニは優しい人だ。

 何も言わなくても側にいてくれる。

「ルーニありがとう」



< 81 / 140 >

この作品をシェア

pagetop