女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
とりあえずシャワーを浴びて、ジーパンとシャツを着ると、診療所に行った。
 病院に行くなら会社が休みの土曜の今日しかない。それに、土曜は午前中しか診療所がやってない。
 慶子さんに薬を出してもらおう。
 診療所に着くと、最近夏風邪が流行っているせいか、待合室はとても混んでいた。
 疲労と寝不足もあって目を閉じて順番を待つ。
 三十分くらい経っただろうか。
「……さん、木村優里さん」
 何度か名前を呼ばれ、ゆっくり目を開けた。
「……はい」
 目を瞑るだけだったはずのに、本当に寝ちゃってた。
 自分のアパートより待合室の方が眠れるなんて終わってる。
 苦笑いしながら診察室に入るが、目の前にいたのが玲人くんで思わず二度見した。
「え? え? 私、寝ぼけてる? なんで慶子さんじゃないの?」
 混乱している私に玲人くんが落ち着き払った様子で答える。
「姉貴は学会で今週も俺が代理。で、今日はどこが悪い?」
 出血さえしてなければ、また彼に会えたと喜んでいただろうが、今は早く立ち去ることしか考えられなかった。
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