女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
「な、なんでもない。慶子さんに仕事の愚痴でも聞いてもらおうって……あの、失礼しました」
 慌てて誤魔化し、ペコッと頭を下げて診察室を出て行こうとしたら、彼に手を掴まれた。
「待って。そんな青い顔してなんでもないわけないよね?」
「本当になんでもないの! 来週また来るから」
 慶子さんならともかく、玲人くんに血が出ててなんてこと言える訳がない。
 笑顔を作ってそう言うが、彼は手を離してはくれなかった。
「来週まで待てるなら来ないよね? 今日は俺の顔見に来たわけでもなさそうだし、緊急なんじゃないの?」
 どうして今日に限っていつもみたいに私に無関心でいてくれないのだろう。
「だったら、四条総合病院で診てもらう」
 私の発言を聞いて彼は腕時計をチラッと見ると、意地悪く言った。
「もう正午過ぎた。診察終わってる。俺で我慢してもらうしかないね」
「……本当に大丈夫だから」
「大丈夫じゃないから来たんだよね? 優里?」
 珍しく優しい声で名前を呼ばれてハッとした。
「……生理は終わったはずなのに、数日前から出血してるの」
 
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