女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 すぐにでも帰りたいだろうな。祭りが好きなタイプじゃないもの。できるだけそっとしておこう。
 でも、濃紺の浴衣を着た玲人くんも素敵。
 周囲の女の子も彼をチラチラ見ている。
 彼の浴衣姿を見られただけでもラッキーだと思わないとね。
「真美さん……あれっ?」
 真美さんに話かけようとしたら、彼女の姿がない。
 え? 彼女はどこ?
真美さんを探してきょろきょろする私を見て、横にいた玲人くんがボソッと言う。
「笠松と先に行った」
「そうなんだ。玲人くん、ここでなにか食べてく?」
「ああ。せっかく来たから。で、なに食べる?」
 玲人くんが突然私の手を掴んで歩き出したものだから、ドキッとした。
「あの……玲人くん?」
 顔がカーッと熱くなるのを感じながら玲人くんに目を向けたら、涼しげな顔で「なに?」と聞かれた。
「手……」
 恥ずかしがりながらボソッと言うと、彼が面倒くさそうに返す。
「お前またボーッとして、妙なのに引っかかったら厄介だから。浴衣マジックで色っぽく見えるし」
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