女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 ハハッと笑う親父が時代劇に出てくる悪代官に見えた。
「最低ですね」
 冷ややかに言うと、親父はさらに俺を怒らせる発言をする。
「出て行かないなら、お前にこの病院を継がせないとも言った」
 ホント、優里を脅すなんて最低な親父だ。
 地位や名誉、それに金にしか興味がない。
 俺に自分と同じ考えを押しつけてくるのも腹が立つ。
「別に継がなくたっていいです」
「は?」
「だから、別に継がなくたっていいと言ったんです。小さい頃はあなたに言われて院長になるつもりでいましたが、今はそんなこはどうでもいいです」
「お、お前は、なにを言っているんだ!」
怒りでブルブル震えながら声を荒らげる親父を冷ややかに見据え、静かな声で告げた。
「優里と離れるつもりはないですよ。坂井先生との縁談も断ってください。でなければ、俺はこの病院を出て行きます」
「れ、玲人!」
「医者なんてここでなくてもできる。あなたが優里を受け入れないなら、この病院を辞めます」
 それは脅しではない。
「考え直せ。お前はあの女にたぶらかされているんだ」
「考え直すのはお前の方だ、貴文」
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