聖母のマリ子
神が全能ではないことを、まさかこんな形で実感することになるとは思ってもみなかった。
後味の悪過ぎる夢が終わり、私は真っ白い空間の中にいた。夢はまだ続いているらしい‥‥
「三上マリ子」
日本にいた頃の懐かしい名前を呼ばれて振り向くと、すぐそばに聖女ミアが立っていた。
「私はこの世界を創造した神である」
え?ミアじゃない?どういうこと?
「そなたのいう通り、私は全能ではない。私が犯した過ちを正すため、そなたには辛く苦しい思いをさせてしまったことをまずは心から詫びたい。本当に申し訳ないことをした」
頭の中で神を侮辱していたことを言い当てられた上に謝罪され、気まずいにも程がある。
「私が見よう見まねで創った世界で、人間は私の想像を越え複雑に進化してしまった。それによって生じた不具合に対し、神が直接介入することは許されない。やむを得ず私の力の一部を授けたミアを創って修正を試みたのだが、所詮傀儡でしかないミアでは人間が持つ複雑な感情の機微を理解することができず、呪いの浄化に失敗した。そこで同じ人間であるそなたを異世界から転生させることにしたのだ」
見よう見まねで世界を創る‥‥?全能ではなくとも、神とはやはり凄い存在なのだろう。だからって私がその失敗の尻拭いをさせられる謂れはないと思うが。
「子を産むのに適した体質、知力の高さ‥‥そなたを選んだ理由は多々あるが、その最たるはそなたが誰よりも愛されることを望んでいたからだ。愛情を強く欲しているそなたなら、呪いの原因となった王族の強過ぎる愛情を受け入れることも可能であろうと考えた」
私が愛されることを強く望んでいた‥‥否定したいところだが、多分それは正しい。私はエドからの深い愛情に幸せを感じているのだから。
私の考えてることが筒抜けだからなのか、神は会話を必要とせずに私の疑問をどんどん解消していった。
それは桃の属性に関することも例外にはならず、その情報が包み隠されることなく全て明らかにされていく。この場にジャンさんがいてくれたならと思わずにはいられない。
「今後必要とあらばこうしてそなたの夢に現れることを約束しよう。此度こそ呪いの浄化を成功させて欲しい。それが私の望みである。何より、私の世界に転生させたそなたもまた私の子なのだ。そなたにもこの世界では幸せになって欲しいと、心から願っているのだよ」
ミアの姿をした神が、神らしい慈愛に満ちた表情を私に向けてくれている。疑っているわけではないが、その言葉は間違いなく本心なのだろう。
私も私の子供達の幸せを願っている。その未来を守るため、私は私にできることをしなくてはならない。
後味の悪過ぎる夢が終わり、私は真っ白い空間の中にいた。夢はまだ続いているらしい‥‥
「三上マリ子」
日本にいた頃の懐かしい名前を呼ばれて振り向くと、すぐそばに聖女ミアが立っていた。
「私はこの世界を創造した神である」
え?ミアじゃない?どういうこと?
「そなたのいう通り、私は全能ではない。私が犯した過ちを正すため、そなたには辛く苦しい思いをさせてしまったことをまずは心から詫びたい。本当に申し訳ないことをした」
頭の中で神を侮辱していたことを言い当てられた上に謝罪され、気まずいにも程がある。
「私が見よう見まねで創った世界で、人間は私の想像を越え複雑に進化してしまった。それによって生じた不具合に対し、神が直接介入することは許されない。やむを得ず私の力の一部を授けたミアを創って修正を試みたのだが、所詮傀儡でしかないミアでは人間が持つ複雑な感情の機微を理解することができず、呪いの浄化に失敗した。そこで同じ人間であるそなたを異世界から転生させることにしたのだ」
見よう見まねで世界を創る‥‥?全能ではなくとも、神とはやはり凄い存在なのだろう。だからって私がその失敗の尻拭いをさせられる謂れはないと思うが。
「子を産むのに適した体質、知力の高さ‥‥そなたを選んだ理由は多々あるが、その最たるはそなたが誰よりも愛されることを望んでいたからだ。愛情を強く欲しているそなたなら、呪いの原因となった王族の強過ぎる愛情を受け入れることも可能であろうと考えた」
私が愛されることを強く望んでいた‥‥否定したいところだが、多分それは正しい。私はエドからの深い愛情に幸せを感じているのだから。
私の考えてることが筒抜けだからなのか、神は会話を必要とせずに私の疑問をどんどん解消していった。
それは桃の属性に関することも例外にはならず、その情報が包み隠されることなく全て明らかにされていく。この場にジャンさんがいてくれたならと思わずにはいられない。
「今後必要とあらばこうしてそなたの夢に現れることを約束しよう。此度こそ呪いの浄化を成功させて欲しい。それが私の望みである。何より、私の世界に転生させたそなたもまた私の子なのだ。そなたにもこの世界では幸せになって欲しいと、心から願っているのだよ」
ミアの姿をした神が、神らしい慈愛に満ちた表情を私に向けてくれている。疑っているわけではないが、その言葉は間違いなく本心なのだろう。
私も私の子供達の幸せを願っている。その未来を守るため、私は私にできることをしなくてはならない。