誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)
そう思うと自然と涙が溢れてくる。

もっと、大事な休日をのんびりと過ごして貰えば良かった。

いつも、車で連れて行ってもらうばかりで私ばかりが癒されて、彼はどれほど休めてた?

凄い人だとは分かっていたけど、始めて彼の凄さを目にした。

こんなに凄い人…。

どんなに頑張っても…釣り合う筈ない。

感動と寂しさとやるせ無さと、いろんな感情が交差して涙が止まらない。

そんな心菜を心配したのか兄がハンカチを渡してくる。

アンコールの中、再び登場して来た蓮とバンドメンバーは、お揃いのTシャツ姿で讃え合い労いの言葉を掛け合って、握手を交わしている。

ここでフリートークが繰り広げられる。

バンドメンバーの1人が司会をかって出て、メンバー紹介から始まり、このコンサートの打ち上げのようなラフな感じで話し始める。

蓮は相変わらずクールな雰囲気を醸し出し話しを聞いている側で、たまにふられては一言二言話すだけだ。

北條蓮のコンサートなのに、脇役のような立ち位置でまったく目立とうとしない。

そのクールさがまたカッコいい。

「今夜は蓮が珍しく歌いたいって言うから、
何を歌いたいんだっけ?」

MC役のバンドマンが蓮に話をふる。

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