アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
「ごめん、ちょっとまとめさせて」

 頭を抱えて、情報を整理した。
 郡山くんは、私のことが好きだから結婚したい、そしてミノの力も欲しい。
 私は、ミノにそばにいてほしい。結婚は特に必要と感じない。

「うーん……。私は、結婚にメリットを感じないわ。郡山くんだけが得をしてる気がする」
「わかりました。契約結婚でかまいませんよ」
「契約結婚……?」
「平日は、僕が家事をします」
「ノった!!」

 しまった、あまりの魅力に諸手を挙げてしまった。
 他にもいろいろと問題はあるでしょうに……。
 いろんな変更手続きとか、それに……だ、男女の関係になってしまうこととかっ。

「結婚しても夫婦別姓でかまいませんし、差し支えなければ、先輩の家に住まわせてもらっていいですか?」
「それは、娘と相談ね」

 私の家は夫が亡くなってから引っ越した賃貸で、2LDKの広さ。
 娘の部屋はそのままになっているから、使わせてもらえるかどうか、結婚報告と共に相談しなければならない。

「あ、あと、大事なことだと思うから言わせてもらうけどっ」
「なんでしょう?」
「私、身体(からだ)の関係とかは、もう……。年齢も年齢だし、無理、というか……」

 恥ずかしいけど、こういうことは最初からきちんと言っておかないと……!

「ああ。そういうことですか」

 郡山くんは微笑んで、私の隣に来て頬を包むように撫でた。
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