帷くんは秘め事が大好きらしい

俺の体を、気遣ってくれているんだよね?

ありがとう。でもごめんね。


家になんて帰っている場合じゃない。

俺は今、どうしても会いたい人がいるんだ。


「大丈夫だよマネージャー。今夜は早く寝るし」


「オマエが放つ『大丈夫』に、子供の頃から騙されてきたんだよ、俺は」


「アハハ~、そうだっけ?」


「しらをきるな! 王子スマイルを浮かべて、とことん無理をするのがオマエ・高瀬帷! 仕事では一切手を抜かないから、その付けが学校生活で出て。学校で何度倒れた? オマエが倒れるたびに、俺が学校まで迎えに行ってだな……」


フフフ。

仕事上の付き合いが長い分、いろいろと苦労をかけてきたよね?


マネージャー、本当にごめんね。

でも今は、好きな人に久々に会える数少ないチャンスなんだ。

絶対に逃したくない。

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