帷くんは秘め事が大好きらしい
大粒の涙を流すまどか先輩がいなくなった、多目的室。
俺は机にはさみを置き、窓にかかった見るも無残なチア服を丁寧に手のひらで撫でる。
せっかくまどか先輩が作ってくれたのに。
俺がハサミで切り刻んだ。
こんなにズタズタにした。
抱えきれなくなった罪悪感。
キリキリと痛む心臓に手を当て、俺は床にしゃがみこんだ。
「……ほんと……苦しい……」
三角座りのまま、膝に顔を押し当てていると
「アハハ~ やるときはやるじゃん!」
ルンルン声が、俺の耳に飛び込んできた。
「真実をまどか先輩に話さなかったことは、褒めてあげる。まぁ暴露した時点で、まどか先輩と松岡先輩の保健室二人きり写真を、ネットにアップしてたけど~」