帷くんは秘め事が大好きらしい

極上に甘い声。

可愛いすぎるおねだり。

年下ワンコっぽく甘えられたら、舞い上がっちゃうのは当たり前なわけで。


『今すぐ行くね』

階段を駆け下り、私はすぐさま家を飛び出しちゃった。



早く会いたいよ。


凍り付きそうなほど冷たい真冬の突風なんて、何のその。

自転車を漕ぎまくって、帷くんのマンションに到着。

そして、今に至るのですが……



ひゃぁぁぁぁ……



心臓がヤバい。

キュンキュンしすぎて、限界。

キャパオーバーで、バタッと倒れちゃいそう!



玄関に入った直後。

靴を履いたままの私は、なぜか壁ドンをされちゃっているんです。


私の背中は、玄関ドアにぴたりと密着。

逃がさないと言わんばかりに、帷くんの右手はドアにドン。

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