帷くんは秘め事が大好きらしい



帷くんの片手が、キッチンから離れた。


逃げ出すチャンス!

だったのに、私の足が動かなかったのは


「なんでハートを惑わすほどの強い眼力で、俺を見上げるかなぁ~」


私の右頬が、帷くんの手のひらで包まれて


「ねぇ、ちゃんとわかってる? 俺がワガママなオスだってこと」


ワイルド感たっぷりの真剣な瞳で、帷くんが私だけのことを見つめてきたから。




「完全に俺に溺れて」



私の耳元に吹きかけられた、ものすごく甘い声。



「永遠に溶けない愛の魔法、まどかにかけてあげる」



じりじりと近づいてくる、形のいい唇。



どうしていいか、わからない。

だれか、正解を教えて欲しい。

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