帷くんは秘め事が大好きらしい
「帷くんがたくさん描いてくれたのに、ちゃんと見れてないから」
「もちろんいいよ。ダイニングテーブルのところの椅子に座って、好きなだけ見ててね」
「ありがとう」
床に落としてあったサックスブルーのエプロンを拾い上げ、身に着けた俺。
キッチンの上に、材料を全て揃え。
粉の分量をはかって。
フルーツも切って。
生クリームは、電動の機械でツノ立ち完了。
卵の卵白だけをボールに入れ。
シャカシャカシャカシャカ。
手に持った泡だて器で、高速混ぜ混ぜ。
俺が描いたデザインを、満足げに微笑みながら眺めているまどか先輩。
まどか先輩の頭の中には、俺以外の人物は誰もいないといいな。
一生、俺だけのことを考えてくれたらいいのに。