喫茶店の悪魔

何かの医療用語?風邪を直したりする、粉薬、丸い粒の錠剤やらが写真になっている。

おまけに綺麗な文字で書かれたメモのようなもの。金髪さんが書いたのかな。


紙を床に落として、部屋中を見渡す。

ベッドから立ち上がると、まだ頭がズキズキと痛くクラクラする。

まだ、熱は下がってないんだろう。

それでも、このくそ汚い部屋を片付けたい。物に埋め尽くされてて足の踏み場もない。

お昼を貰った恩返しのつもりで、あの金髪さんのために片付けよう。


―というか、こんな汚い部屋で住めるんだな。


あー、でもそっか。あの人には居場所があるからなのか。


「よしっ……」


深呼吸をして、ベランダの扉を網戸にする。



「ただいま」


リビングに時計がないから時刻はわからない。

開いたドアの音と、その低い声を聞いた瞬間、ベッドから降りる。頭がズキズキと痛む中、玄関の方まで走っていく。

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