喫茶店の悪魔
同居
夜空の下、先程の公園への道のりを、ゆっくりとした足取りで歩く。
溜め込んでいた言いたいこと、ちゃんと口に出してお母さんに言うことができた。
それは、きっとお母さんも同じだろう。それならよかったのだ、これがよかったのだ。
お母さんや今のお父さんから、誰からも愛されてないって思ってしまって辛かった。
弟たちを見るたびに、何かをお母さんとお父さんが何かを言うたびに、心が包丁で刺されたかのように痛くて仕方がなかった。
部外者な日々が、終わるとしたら、私の未来は変わっただろうか。
―また戻るとは言ったけど、いるかな。
「れいー!!」
「あっ……」
すると静かな夜の中、金髪さんの声が近づいてくる。
頭をもう下げちゃだめって約束をしたのに、頭は上がってくれない……
「バカ!夜に1人とか危ない。」
近くに声がして、下を向いた顔を上げる。
金髪さんが、焦りの表情でこちらを心配そうに覗いていた。あのお母さんのヒステリックな怒りの表情じゃない。
「えっ!?」
そのまま勢いよく、抱きついてしまった。
「えちょっ、え?待って状況が」
「すみませんっ…なんか見たら安心してしまって……」
声が耳の側にあって、恥ずかしく感じる。男性とこんなにも近くに近づいたのは初めてかもしれない。