水の国の王子様は従者を溺愛中!
カイ様は近くのテーブルクロスで下半身を隠すと扉の鍵を閉めた。
そして、カイ様はハッとした表情でもう一度私を見た。
「君はリディアだったのか!俺達は何かと縁があるようだな…無事で良かった!よくあの猛攻撃の中生き延びていてくれた!」
カイ様はそう言うと私を強く抱き締めてくれる。
抱き締められるとまだ危険な状況は変わらないけれど、何だか安心してしまって緊張の線が切れた様に涙が溢れてくる。
「……はい…ヒクッ……私……たまたま……掃除用具の中にいて……ヒッグッ……周りで沢山……私に優しくしてくれた人達が苦しんで……亡くなっていくのに……怖くて……何も出来なくて……隠れている事しか出来なくて……うぅッ…」
「それは怖かったね……大丈夫。リディアが思いつめる事はないんだよ。リディアが生きていてくれて俺は嬉しい」
涙を止めたいのに、止まらなくてカイ様の胸で泣きはらしてしまった。
「リディア…服が濡れたままだ。こんな所で風邪をひいてしまったら大変だ。まずは暖炉に火を起こして服を乾かしながら体を休めよう」
「…はい」
私はカイ様と共に暖炉に火を灯した。
カイ様は後ろを向いていてくれて、私は服を脱いで暖炉の前に吊るして服を乾かす。
「リディア、ブランケットを見つけた。これを毛布代わりにして今夜は眠ろう」
「あ…私は暖炉の火で充分暖かいのでブランケットはカイ様がお使いください」
「そういうわけにはいかないよ…リディア…嫌だったら断ってもらって構わない。本来なら別の部屋か離れたところで休むべきなのは分かっているが……今夜は傍で休んでもいいか?情けないのはわかっている…わかっているけど…」
「カイ様…あの…私も……今一人になるのはとても心細いです……傍にいてくださってもよろしいでしょうか?」
「あぁ…ありがとう……その……身体は見ないようにするから安心して欲しい…」
「は…はいっ…」
椅子に置かれていたクッションを枕にしてカーペットの上に二人で横になり、ブランケットに一緒に包まる。
まさか……カイ様と裸でこんな近くに……状況がこんなじゃなければ絶対にあり得ないけど、こんな状況じゃない時にこんな風になれていたなら幸せ過ぎてまた鼻血を出しているところだった。
もう少しくっつきたいけど、自分からカイ様にくっつきにいくなんてまさか出来るわけなく固まっていた。
「リディア、ちゃんとブランケット入ってる?もう少し寄っておかないと暖炉の火が消えた時冷えるから」
カイ様はそう言うと肌が触れてしまうくらいまでくっ付いた。
嘘…こんな状況なのに……心臓がヤバい…
「…手、握ってもいい?」
「ふぁい……」
何!?甘えてくるカイ様可愛過ぎる……こんな状況なのに私何考えてるんだろう…最低だよ……カイ様は心を痛めているのに!
カイ様は私の手を取るとキュッと握った。