水の国の王子様は従者を溺愛中!
「明日になったら、一度アクアヴェールの様子を見に行こう。アヴァンカルドの兵がアクアヴェールに来ている可能性が高い。そこまでライマーレ軍と鉢合わせなければアヴァンカルド王国に二人とも匿ってもらえるはずだ。それまで俺がリディアを死んでも守るから頑張ろう」
「カイ様…」
「どうした?」
「私、アクアヴェールのお城の使用人なんです」
「そうだったな…若く、実家の城専属の花屋もあるというのに」
花屋の娘という事まで覚えていてくださってるなんて…
「使用人は何処を担当していたとしても王族の方が危険に晒されていたら命を張って御守りするんです」
「そんなルール初めて知ったけど…出来たら自分の命を優先して逃げて欲しいな」
「私は国民の為にライマーレと戦争にならないように御自身がライマーレに良いようにされても努力してくださったアクアヴェールの王族を御守りしたいです!私、本日よりカイ様の従者へ転身する事にしました!新人で至らない点は沢山ありますが、どうか私を頼ってください」
私はそう言ってカイ様の手をキュッと握り返した。
「ふふっ…俺の従者はずっとガタイの良いおじさんだったから従者がこんなに可愛い子になるなんて思ってもみなかったな…わかったよ。でも、俺は従者の事大事にしたいんだ。危ない時は守らせてもらうよ……今度は絶対に守りたいんだ…」
カイ様はそう言うと私を抱き寄せて涙を流した。
私がカイ様のいた部屋の前に着いて聞こえた内容は一部ではあったけれど、あそこにいた従者も使用人もカイ様に見せつけるように殺されたんだろう…
身も心もズタズタにされているはずなのに、今度は私を守ろうとしてくれている。
力になれるかわからないけれど、カイ様の事支えなくちゃ…
涙を流すカイ様の頭を撫でて抱き締めた。