水の国の王子様は従者を溺愛中!
イーストウッドの町へ着いて馬車を降りると町は雪景色だった。
先程の吹雪は止んでいて青空まで見えている。
「ローティシアまで送ってやりたいけど、俺達もう1回物資運ばなくちゃならねぇんだ。ここまでで悪いな」
「いえ、ここまで乗せて頂けただけで充分です。ありがとうございました」
「おう、達者で暮らせよ」
馬車のおじさん達は手を振って仕事へ戻って行った。
「ここまで雪が酷いとは想定外だったな」
「防寒具の配給あって良かったよね」
配給でニットの帽子とマフラーを貰えたのでカイルも少し顔を隠すのにちょうど良かった。
「本当に助かったよ、しかしこうなると途中で野宿は厳しいな…」
「そうだね…宿屋でローティシアまでどのくらいか聞いてみよう」
町中にいる住人に宿屋の場所を聞いて、宿屋扉を叩いた。
中へ入るとフロントに宿屋のご主人が眠そうな顔で座っていて、私達が入るとパッとこっちを見る。
「お客さん、すいません…今日は満室なんですよ」
「ごめんなさい、私達アクアヴェールからの難民で…ローティシアへの行き方を教えて頂きたくて」
「アクアヴェールの…大変だったなぁ。ローティシアは町の東門出てずっと道なりを行けば着くよ。今から行くのかい?」
「そうしようかと…」
「なら急いだ方がいい、今なら晴れてるし日が暮れると一気に冷え込むからな」
宿屋のご主人にお礼を言って、私達は日が暮れないうちに急いでローティシアへ向かう事にした。
しかし、私達は雪の気候に対しての危機管理の見通しが悪かった。