水の国の王子様は従者を溺愛中!
~カイルside~
しばらくリディアと何度もキスをしながら休んでいると、リディアは雪道を長く歩いた疲労からウトウトしていた。
「ごめ……折角カイルと二人だけでゆっくり出来る時間なのに…」
「気にしないで眠って大丈夫だよ」
リディアの頭を撫でるとリディアは眠った。
寝ているリディアにブランケットをかける。
そして、食器を下げに行く事にした。
俺だけでも何か手伝えないか聞いてみよう。
食堂へ行くと夕飯の時間のピークみたいでご主人が食事を作ってマーサさんが食事を運んでいて、二人だけで対応していてかなり忙しそうだった。
「ご主人、マーサさん手伝います」
「あらやだ!今日は休んでていいのに!」
「僕はこう見えて結構体力余ってるので」
「それじゃあ、注文取ってきてもらえるかしら?このメモに注文内容書いて、最後にテーブルについてる番号も書いてね」
「はい、わかりました」
こういった仕事をするのは初めてだから足引っ張らないようにしないとな。
周りを見回してまだ水が出ていないテーブルを探して水を運ぶ。
女性客が二人いる席で声を掛けられる。
「お兄さん~?注文いいかしら?」
「はい、何になさいますか?」
「うっそ!本当にめちゃくちゃ綺麗な顔してる!」
「言ったでしょ?折角だから良いお肉の頼んじゃおー!お兄さん持ってきてね」
「え、はい…ご注文伺ってよろしいですか?」
何か…注目されてる気がする。
アヴァンカルドの国で王族と一部の貴族以外俺の顔知ってる人はいないと思うけど、あまり顔出さない方が良かったかな…
注文を受けて調理場のご主人へ注文票を渡すのを繰り返す。
「ご主人、これで今いるお客さんの注文全部です」
「おう!しかし…今日は単価の高い料理ばっかり出るな?何でだ?」
「そうなんですか…あ、マーサさん!料理提供も僕行きますね」
「ええっと、そしたらテーブルの番号表どこやったかしら」
「今、注文受けた時に全部のテーブル番号覚えたので大丈夫です」
「全部覚えたのかい!?物覚えいいのね!」
次々に出来る料理を席へと運んでいく。
「なぁ、兄ちゃん!デザート追加で頼んで良いか?」
「はい、勿論!」
「くぅっ!兄ちゃんの微笑みキラキラし過ぎてたまんねぇな!」
「お前、相手男なのにハマり過ぎだぞ!」
「兄ちゃんなら男でも構わねぇ!ウエイターなんてしなくても俺が王都で養ってやるから俺と来ないか!?」
「ありがとうございます。しかし僕は心に決めた人がいますので申し訳ございませんがお受け出来ません…ご好意を持って下さったことは忘れません」
「それじゃあ仕方ねぇな!また来るからよ!一番良いデザート頼むわ」
アヴァンカルドの人達は気前が良いのかみんな追加で何か頼んでくれたり一生懸命働いているからとチップをくれたりして食堂の閉店時間まで賑わっていた。